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私の研究のスタンス 1

 全日本麻雀協会の平澤元気先生が3つ目の著書を出された。


 この本のあとがきに「デジタルとアナログの調和」について言及されており、それについて私の思ったことをコメントしようと思ったが、その前に、「そもそも私がどういうスタンスで麻雀研究をしているのか」ということを確認しようと思う
(まあ、この記事自体、自分のスタンスの確認をするために書いている意味合いが強いが)。
 なお、私のスタンスというのは、とつげき東北(以下、「とつ」と書く。)の「システマティック麻雀の理念」に近い。

 とつげき東北HP システマティック麻雀の理念
 http://totutohoku.b23.coreserver.jp/hp/SLtotuB1.html


 最初に、とある一文を紹介したい。
『超入門 科学する麻雀』や『おしえて!科学する麻雀』(いずれも、とつげき東北著、福地誠編、洋泉社)には以下の記述がある。

(以下、文章引用)
 漫画や評論などで、「デジタル」と形容されることがありますが、私の手法はそう呼称される方々とおそらく異なりますので、私は「デジタル」を自称しておりません
(以下、引用終了)

 私の想像に過ぎないが、とつから言わせれば、「デジタル?!あんな雑な計算をする連中と自分の研究を一緒にするな」というところかもしれない。
 それに近いことは彼のサイトで触れられている。

(以下、「システマティック麻雀の理念」から引用)
 勘違いされている方もいるかも知れないが、「強いか、弱いか」「牌効率だけを追いかけた打ち方であるかどうか」というのはシステマティックであることとは無関係である。ただ「強い」ということは、(もちろんそれにも充分な価値はあるにしても)とつの目指すところではない。牌効率至上主義などという、相手のテンパイ平均順目や得点状況を無視した雑な「理論」を、とつが採用するわけがない。
(引用終了)

 あと、とつのサイトにある(サイトからこのページに飛ぶことはできないが)「麻雀問答」という文章でも次のように書いてある。

 とつげき東北氏の「麻雀問答」
 http://totutohoku.b23.coreserver.jp/hp/mjm.htm

(以下、麻雀問答より引用)
 強調したいのは、「牌効率の完全な計算や裏ドラ枚数の計算よりも、純理論ではない実測データでの順位期待値計算の方が(平均順位の上昇のためには)遥かに有用である」という点であり、現在一般で言われる「デジタル」の指針の見直しをすべきだと感じている。デジタルと言えば計算ばかりに目がいくが、計算よりもまずは実測データから切り込んだ方がずっと効率的だろうと思う(なぜなら相手の挙動の純理論的なモデル化は相当困難を極める上、それが少しでも狂うと結果にシビアに表れてしまうからだ)。
(引用終了)

「凸がデジタルではないこと」の説明はこの程度でよいだろう。
 私もこの考えを継承しているので、私もデジタルを名乗るつもりはない。


 では、凸が目指していたものは何か。
 それは「システマティック麻雀」であり、それは次の条件を満たす状態である。

1、同じ状況で同じ牌が切れる
2、ある牌を切る理由を、可能な限り明確に、数理やデータに基づいて説明できる

 システマティック麻雀の本質的な要素は2である。
(1は「同じ状況」の定義如何ではアナログであろうがデジタルであろうが成立しうる話であり、システマティック固有のものとは言えない)
 重要なのは「説明」である。
 もっとも、説得力のある説明をするためには、実測値、あるいは、信用できるシミュレータによる計算値などが必要だろう。
 数理(モデル・シミュレーション)やデータに基づくのはそのためである。


 この点、サイトには次のような説明が付されている。

(以下、「システマティック麻雀の理念」より引用、強調は筆者)
 勘違いされている方もいるかも知れないが、「強いか、弱いか」「牌効率だけを追いかけた打ち方であるかどうか」というのはシステマティックであることとは無関係であるただ「強い」ということは、(もちろんそれにも充分な価値はあるにしても)とつの目指すところではない。牌効率至上主義などという、相手のテンパイ平均順目や得点状況を無視した雑な「理論」を、とつが採用するわけがない。
とつは麻雀を「学」のレベルに高めたいのだ。

システマティックな打ち手は、自分の打牌について一貫した理屈付けを与えることができ、また自分の打ち方を明確な言語で語ることができる。完全にシステム化された状態は、コンピュータアルゴリズムで打ち方を記述できる状態である。
(引用終了)


 なお、私の研究・研究の公開の目的は、「麻雀を学のレベルに高め、よって、麻雀文化の向上に資すること」である
 最近は、麻雀そのものにも興味・関心があるので、戦術に限った話だけではなく、「麻雀の実力はどう判定されるべきか」、「天鳳の段位はどの程度ばらつくのか」、「どの程度の成績をマークすれば天鳳位にタッチできるのか」など戦術に関連しないことについても手を伸ばしている。
 ただ、その動機は「(根拠を知ることにより)出来る限り説明できるようになること」である

 無論、私の研究成果を実践できるようになればそれはそれで望ましいことである。
 しかし、(私自身の)リソースが足らないこと、私の無能さからそこまで手が回らない。
(万一、私の理論を何かに実装させるとしても、私では無能極まりないので、AIに委ねることになるだろう
 なので、今は研究することのみに集中している。


 以下、若干補足。

 まず、「数理・統計で全部説明できることが可能なのか」について。
 これに対する回答は、「(究極的には)全部は説明することは不可能であろう」である。
 
 システマティック麻雀の条件2をよく読んでもらいたい。
 条件2は

 ある牌を切る理由を、可能な限り明確に、数理やデータに基づいて説明できる

 である。
「可能な限り」という文言がついていることに注意して欲しい。
 完璧な説明なるものを想定・要求しているならば、そんなもの最初から無理である。
 そんなものは百も承知である。
 

 これについては、システマティック麻雀の理念についての次のように触れられている。

(以下、システマティック麻雀の理念より引用)
 もちろん、オレだって同じ状況で同じ牌が切れるか、というと、そうではない。最初の5順目あたりの切り方なんて、敢えて言うなら「ほとんど適当」である。
 まず、我々はそれをしっかり認識しよう。全てがデータと数式で表せるわけではない

 ではシステマティックに意味はないのか?
 全然違う。
 東1の最初の1打で西を切るか北を切るか、これは「適当」でもさほど勝負に影響しないが、リーチがかかった時にションパイの西を切るか、3枚切れの北を切るかでは、強さはかなり違ってくるだろう。
 こうした、麻雀に重要な判断の分かれ目部分を取り出し、数学的・実証的に吟味し、少しずつ「最強」の打ち方へと近づいていくということ。それがシステマティックな麻雀の本質部分である
(引用終了)

 あと、この部分も入れておくべきだろうか。
 若干、とつ特有の毒を含んでいるが。

(以下引用)
麻雀システムの解を探そう。要するにこれが究極の目的ですわな
状況を入力すると、「はいこれ切りなさい」と一義に決定できる。
ま、そんなことまで個人でできるわけはないけれど、要するにそれに唯一近づける手段が数理なん
科学とか数学にルサンチマン持ってる人は「相手が人間だから、その心理まで全部数値で表せるわけがない!」なんて言うやろうね(笑)。そうや。昔から科学は「複雑な系」にはかなり苦戦を強いられてきたね。今でも、タバコの煙の1つ1つの分子が1秒後にどこにあるか、なんて、全く解りませんわ。ただ、それでも科学の力で人間は宇宙に行ったし、地球の裏側の人間とリアルタイムに麻雀できるねん(笑)。悪いけど、直感とか感性に従ってたら、タバコの煙のゆくえもわからんが、宇宙にも行けないと思うぞ(爆)。「宇宙・・・それは我々の手の届かない大いなる存在」とか言って終わりやろな(爆) ぎゃっはっは。
(引用終了)

 以上のように、総てが数理やデータによって説明できるとは(とつも私も)思っていない。
 目的地がそこにあるとしても、一生かかってもたどり着けないであろう。
 だが、データで説明できる部分はデータを用いて説明できるようにしようとは思っている
 もっとも、その部分(データで説明できる部分)ですら膨大であり、それすら適わないというのが実情ではあるが。


 と、私の研究スタンスについて述べたところで、平澤先生の新しい本のあとがきについてコメントしようと思う。

 では、みなさん。Ate breve! Obrigado!(また近いうちに、ありがとうございました)
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Meanin Gless

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 もちろん、牌譜分析をした結果をそのまま表示する場合、重複する場合、後で細かく書く場合、他に書かれていて書く必要がない場合、情報の速報性を重視する必要のある場合は別ですが、それはあくまで例外です。

 このブログの文章の第一のターゲットは、後世の麻雀研究者になっております。
 次が、巷に流れる麻雀戦術が正しいのかを知りたい人、理由付きで麻雀戦術を知りたい人になります。
 申し訳ありませんが、麻雀戦術が使えるようになりたい、麻雀戦術を分かりやすく知りたいと思われる方は、このサイトの99%は役に立たないと思います。
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 当サイトは「科学する麻雀」の理論を発展させることを目的としております。
 もちろん、発展の中には、「細かい修正」も入りますが、できれば、天鳳の赤アリ麻雀の牌譜を分析し、必要であれば、抜本的な理論の改変も目標にしたいと思います。
 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

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「① 私がシミュレーション又は牌譜解析したことの記載、②このサイトのデータである旨の記載」さえあれば、拒否することは致しませんが、私に再試の機会を与えていただきたいと思っているためです。

 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

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