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和了価値指標について 1

『統計で勝つ麻雀』(福地誠・みーにん著、竹書房、2015)、『天鳳公式完全攻略読本』(ネマタ著、福地誠編、洋泉社、2015)において、「和了(アガリ)価値指標」について述べた。
 そこで、一度『和了価値指標』について説明するとともに、この指標を戦略にどう扱えばいいかを検討する。
 具体的には、局収支の結果を平場外についてどのように活用するかを考える。


 簡単に説明すると、和了価値指標とは得点と失点のバランスを知るための指標である
 1.0だったら得点(和了)と失点(放銃)のバランスが取れている(数値的に)ことになる。
 この場合、局収支論に従えばいい。
 また、1.0より多ければ、平均順位などから見た場合、一定の得点の価値(満貫和了の価値)が一定の失点の価値(満貫放銃の価値)が上回ることを意味する。
 よって、この場合、局収支論よりも押し気味になる。
 逆に、1.0よりも少なければ、平均順位などから見た場合、一定の得点の価値(満貫和了の価値)が一定の失点の価値(満貫放銃の価値)が下回ることを意味する。
 よって、この場合、局収支論よりも引き気味になる。


 公式は次のとおりである。
(ここから数式の話をするため、興味がない人は読み飛ばしてよい)

 アガリ価値指標をS、局状態nにおける持ち点pにおいて想定される平均順位をR(n、p)と置く場合

 S = ( R(n+1、p+8000) - R(n+1、p) ) ÷
     ( R(n+1、p) - R(n+1、p-8000) ) 

 となる。
(なお、局状態とは東1局から南4局を1から8までに振り分けた数値である、具体的には、東1局は1、東2局は2、東3局は3、東4局は4、南1局は1、南2局は6、南3局は7、南4局は8、終局は9)
 つまり、局が流れて(親が流れて)8000点ゲットした際の平均順位の減少分から局が流れて(親が流れて)8000点ロスした際の平均順位の上昇分を割った値が和了価値指標である。
 なお、8000点にしている理由は、1局の点数変動をプラスマイナス8000点程度に見積もっておけば、多くの場合その範囲に含まれるからである。
 また、局(親)が流れる理由は多くの場合局が流れるからである(別にそれがいやなら一個前の局の和了価値指標を見ればいい)。
(公式の説明ここまで)


 具体的な和了価値指標を見てみよう。
 オーラス・ラス前を除いた各局の各持ち点の和了価値指標は次のとおりである。

FC21704226.jpg


 表の見方を説明する。
 まず、東風戦と東南戦の両方を用意した。
 書籍では東南戦のみのデータしか示していないが、東風戦のアガリ価値指標と東南戦の南場のアガリ価値指標は必ずしも一致しない。
 そこで、東風戦も具体的に示した。

 次に、ラベルの11000点とかは自分の持ち点である。
 幅は2000点である(ラベルの数値から見てマイナス1000点からプラス900点まで)。
 具体的には、11000点の場合、10000点~11900点のデータを集めて和了価値指標を求めている。
 38000点の場合、38000点~39900点のデータを集めて和了価値指標を求めている。

 また、マーキングは次のとおりである。
 0.8~1.25については赤でマークしている。
 0.7~1.4については黄でマークしている(赤でマークされる場合除く)。
 0.6~1.7については緑でマークしている(赤・黄でマークされる場合除く)。
 0.5~2.0については青でマークしている(赤・黄・緑でマークされる場合除く)。
 それ以外はピンクでマークしている。
 具体的には、赤が平場と言える。黄色は無理をすれば平場と言える領域、緑・青・ピンクはまあ平場とは言い難い領域である。


 さて、順位戦の東南戦における(東風戦は各自で見てほしい)平場と言える領域は次の領域である(なお、25000点よりも低い得点領域で緑の領域が現れた場合、仮にそれよりも低い得点で黄色や赤の領域があったとしても、その領域は平場扱いはしない)。

 東1局 20000~32000点(無理をすれば10000点~40000点)
 東2局 22000~32000点(無理をすれば10000点~38000点)
 東3局 22000~32000点(無理をすれば18000点~34000点)
 東4局 22000~30000点(無理をすれば20000点~34000点)
 南1局 22000~30000点(無理をすれば20000点~32000点)
 南2局 22000~30000点(無理をすれば20000点~32000点)

 順位戦(素点が関与しない)で見た場合、平場の範囲はそれほど広くはない。
 せいぜい20000点~30000点と考えておくのが無理のない判断ではないかと思われる。


 さて、これをどう戦術に反映させるか。
 まず、平場においては局収支論を使えばいい
 逆に、アガリ価値指標によって局収支論に従って打てばいい範囲が明確になったといえる。

 次に、平場外の押し引きについてこのように考えればいい。
 例えば、平場の場合、「相手の点数と0.5倍(半分)の点数」という基準があるとする。
 この場合、平場外(和了価値指標をSとする)の場合、「相手の点数の0.5倍の点数にSで割った値の点数が必要」と思えばいい。

 例えば、自分の持ち点は37000点で現在東2局とする。
 この場合、和了価値指標は0.7である。
 この場合、「相手の点数の半分(0.5倍)が必要」という基準は、「相手の点数の0.5倍の(1÷0.7)倍の点数が必要」ということになる。
 つまり、「相手の点数の0.7倍の点数が必要」になる。
 相手の点数が6000点であれば、平場なら「3000点あれば突っ込める」という基準だったが、これが「4200点あれば突っ込める」ということになる(無論、この点数を考慮するにあたっては一発・裏・ツモを考慮していい)。
 
 例えば、自分の持ち点は15000点で現在南1局である。
 この場合、和了価値指標は約1.65である。
 この場合、「相手の点数と同程度の点数が必要」という基準は、「相手の点数と同程度の点数の(1÷1.65)倍の点数が必要」となる。
 つまり、「相手のテン数の0.6倍の点数が必要」になる。
 相手の点数が8000点の場合、平場なら「8000点必要」になるわけだが、この場合は「5000点必要」になる。
 
 このように考えれば、局収支論を応用することができる。
 もちろん、この応用においては、「(8000点の)和了価値指標」と「その他の点数の和了価値指標」を同等と扱っている点で問題がある。
 しかし、これを使えば簡単に平場外の押し引きについて考えることができる点で有用である。


 さて、今回は順位戦の(8000点)和了価値指標について調べた。
 次回以降は段位戦や雀荘戦における(8000点)和了価値指標について言及する予定である。


 では、みなさん。Ate breve! Obrigado!(また近いうちに、ありがとうございました)
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 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

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 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
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