記事一覧

先制リーチにおける外側待ちの和了率

 最近の私は麻雀の戦術に興味がなく、麻雀(天鳳の段位)の実力評価方法に興味があったので、そっちのことばかりブログに記事にしていた。
 無論、「麻雀の実力はどのように現われるのか」という問いは「麻雀とは何か」という問いに対して相応に有益であるが、「どうすれば麻雀で勝てるか」に関心があるプレーヤーから見れば「そんなものに興味はない」と思うであろう(そして、それは正当である)。
 そこで、戦術に関するちょっと変わった話題を提供しようと思う。


 ほしきゅー、クレーンらの研究(牌譜解析)によると、リーチ宣言前に切られた牌の外側の牌の危険度は通常の無筋より下がることが確認されている
(外側の牌の危険度は私もデータを採っているのだが、そのデータをこのサイトにデータを提示していない、よって近いうちにデータを公開しようと思う)。
 その関係もあって(リーチ宣言前に切られた牌の)外側の牌は切られやすい。
 とすれば、外側の牌を含むリーチは和了しやすいと考えられる
 そこで、それが数値に換算してどの程度になるかを見てみよう


 牌譜解析の方法は単純である。
 様々な待ちについてリーチ宣言前に周辺牌が切られているケースをピックアップし、そのときの和了率を求める。
 なお、サンプル数の関係で5~12巡目の和了率を求めた。
  
 早速データを見てみよう。
 関連するデータは次のとおりである。

FC21702251.jpg


 データの見方を説明する。
 待ちは良形待ち及び愚形待ちについて掲載した。
 また、5巡目~12巡目の数値については和了率と和了時ツモ割合を掲載した
 和了率が分かればどの程度和了できるか(和了率が変わるか)が分かるし、和了時ツモ割合が分かれば、どの程度他家から牌が出てくるかが分かるので、この2つが分かればとりあえず十分である。
 
 画像のうち上の表は、宣言前に1から5(赤5)が切られた場合のそれぞれの良形待ち・愚形待ちの和了率等を掲載した。
 なお、表のラベルには、1~5しか記載していないが、9~5が切れた場合の69待ちなどのデータも回収してある。

 また、「宣言前に2切り」などとある場合、2が切れているかどうかだけに焦点があてられてあり、その他に関連牌が切られているかは無視している。
 よって、「宣言前に2切り」と書いてある場合、1345については不明である。

 下の表に全体のデータ、関連牌が一切自分から切られていない場合(宣言牌除く)、外側の和了率を掲載した。
 外側だけを比較するなら下の表だけで十分である。


 さて、外側の牌含みの待ちのリーチについてデータから言えそうな事を列挙してみよう。

 先制良形待ち立直のうち当たり牌に外側牌が含まれる場合の和了率は

14待ち 62.2%(通常は58.7%)
25待ち 58.9%(通常は54.9%)
36待ち 57.3%(通常は52.9%)

となった。
 和了率を見れば5%程度アップである
 劇的に増える(約10%増える)というレベルではないが、平澤元気先生が言うところの微差の間では考慮すべきレベルの差がある。

 また、細かくデータを見たところ、赤5切りの36(47)待ちの和了率は約57%となった。
 外側牌で待った場合と同程度の和了率アップが見込まれている
 これも和了率が激増するというレベルではないが、大差ない同士を比較するなら考慮すべき要素であろうかと思われる。

 あと、「外側牌の危険度は下がる」一方、宣言前に5(赤5)切りがなされたときの無筋1待ちの危険度は増えることが確認されている。 

 牌の危険度5 ~5切り~
 http://meaningless777.blog.fc2.com/blog-entry-373.html

 とすると、5切りの14待ちは和了率が減る可能性があるので、それも見てみる。
 上の表を見たところ、宣言前に5が切られた場合の14待ちの和了率は56%となった。
 減少幅は約2.5%、それほど減少していない。
 そのことを考慮すると、「宣言前に5が切られているから14待ちはマークされている。よって、リーチしないでダマ」みたいなことを考える必要は(他の事情が競合しない限り)ないようである。
(もっとも、「宣言前に5が切れ、かつ、宣言牌が2か3」などの事情があれば、和了率がさらに下がる可能性がある、この辺は追って調査したい)


 次に、愚形待ち(カンチャン・ペンチャン・単騎のみ、シャンポンは含まない)について見てみよう。
 無筋1~無筋3待ちでかつ外側牌の場合の和了率は次のようになった。

無筋3待ち 44.8%(全体40.0%)
無筋2待ち 45.9%(全体43.0%)
無筋1待ち 51.8%(全体45.8%)

 まず、無筋1(9)待ちの場合、全体から外側牌に限定しただけであって和了率が6%増えた。
 もはや筋待ちのレベルである。
 外側無筋19牌単騎待ちだったら、手変わりを待つまでもなく立直を宣言した方がよさそうである。
 次に、無筋2(8)、無筋3(7)待ちの場合、和了率が3~5%上昇した。
 無筋2(8)については効果が少々落ちるが、それでも和了率が増えるようである。
 こう考えると、「愚形待ちについても『当たり牌が外側牌であること』は微差の比較の際には考慮すべき要素になる」と言えそうである


 さて、今回の意見を戦術に反映させるならどうなるであろうか?
 相互比較をしているわけではないので信用性は留保するが、次の2点は言えるのではないかと思われる。

 まず、「外側牌をつり出そうとして完全一向聴を崩す必要はなさそう(テンパイ率を下げるデメリットの方が多くなる)」ということである。
 外側牌を吊りだせるようにしたところで、外側牌が当たり牌に含まれるリャンメン待ちが絶対にリーチの待ちになるわけではない。
 また、外側牌が当たり牌に含まれることによるリャンメンリーチの和了率の上昇効果は5%である。
 そのために、1巡あたりのテンパイ化率を約3%(34分の5→34分の4)も下げていては話にならない。
 
 他方、カンチャンカンチャン一向聴で浮き牌が4連形を形成している場合、リャンメンカンチャン一向聴で浮き牌で4連形を形成している場合、カンチャントイツをカンチャンにして外側牌待ちのカンチャン待ちを作る価値がありそう、ということである。
(無論、こちらも1巡あたりのテンパイ化率を約3%下げるので、単なる浮き牌では不十分で、4連形などにより良形手変わりが豊富であるという条件は必須だと思う、リーチ以外役がない、ピンフがくっつく、トイツの牌が既に切られているなどの条件があるとなおよい)

 例えばこんな手牌の場合、

 1m3m3m7m8m9m2p3p4p5p9p9p6s7s
 1m3m3m7m8m9m2p3p4p5p9p9p6s8s

 1巡あたりのテンパイ化率を最大化したければ4連形を崩すべきであるが、敢えて3mを切ってリャンメン化への手変わりを最大化しながら愚形待ちの質を高めるという戦略もありではないかと思われる。 
(無論、数値的な比較をしておらずそれゆえ本当に得なのか、得ならばどの程度得なのかは不明である、場況判断として考慮に値するレベルに過ぎないことは確認しておく


  それでは、みなさん。Ate breve! Obrigado!(また、近いうちに。ありがとうございました)
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Meanin Gless

Author:Meanin Gless
 初めてこのサイトを訪れた方へ(出来る限り御読みください)

1 このブログで記載する内容と程度 

 このサイトは麻雀に関する調査結果・研究結果を調査過程・研究過程を含めて厳格に記述するサイトです。
 原則として、このブログの文章に「(数学・プログラムについて相応の知識・技術を持った人が)ここに書かれた文章の内容を再現し、文章の内容が正しいことを確認するために必要なこと」は総て記載していく予定です。
 もちろん、牌譜分析をした結果をそのまま表示する場合、重複する場合、後で細かく書く場合、他に書かれていて書く必要がない場合、情報の速報性を重視する必要のある場合は別ですが、それはあくまで例外です。

 このブログの文章の第一のターゲットは、後世の麻雀研究者になっております。
 次が、巷に流れる麻雀戦術が正しいのかを知りたい人、理由付きで麻雀戦術を知りたい人になります。
 申し訳ありませんが、麻雀戦術が使えるようになりたい、麻雀戦術を分かりやすく知りたいと思われる方は、このサイトの99%は役に立たないと思います。
 麻雀戦術について詳細に記したサイト、分かりやすく記したサイトは、たくさんありますので、そちらを読まれた方がよいかと思います。


2 分かりやすさへの配慮について

 なお、理想論としては、私は、このブログの文章の内容を分かりやすく説明するところまでもっていきたいとは思っております。
 しかし、それだけの余力は現在ありません。
 そのため、「この記事を理解すれば役に立ちそうだから、このブログの解説記事を作ってほしい」と思われた方は、コメント欄にてリクエストをしてください。
 リクエストされた時の私の状況にもよりますが、出来る限り対応したいと思います。


3 当サイトの目標

 当サイトは「科学する麻雀」の理論を発展させることを目的としております。
 もちろん、発展の中には、「細かい修正」も入りますが、できれば、天鳳の赤アリ麻雀の牌譜を分析し、必要であれば、抜本的な理論の改変も目標にしたいと思います。
 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

4 引用について

 基本的に、ネット上のブログに引用する際には、

 ① 私がシミュレーション又は牌譜解析したこと
 ② このサイトのデータである旨

を書いた上で引用する限り、自由に引用していただいて構いません
(ただし、あたかも私が行った牌譜解析・シミュレーションを自分がやったかのように記載して転載するのはやめてください)。

 しかし、

 ① 営利目的使用
 ② 紙媒体に使用する場合

 は、コメントにて、私にご一報ください。
「① 私がシミュレーション又は牌譜解析したことの記載、②このサイトのデータである旨の記載」さえあれば、拒否することは致しませんが、私に再試の機会を与えていただきたいと思っているためです。

 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

カテゴリ

アクセス数