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十段3名VS七段において、七段はどの程度善戦するか 2

 前回、「十段三名VS七段における七段の平均順位」について考察したところ、にせ国士さん(ツイッターアカウントは osanronmen )より「七段の平均順位は2.658になるのではないか」という指摘を受けた。

(関連するツイートはこちら参照)
 https://twitter.com/osanronmen/status/822490040626384897 (彼が求めた平均順位)
 https://twitter.com/osanronmen/status/822475704142958593 (彼の前提)

 その求め方等を拝見し、自ら再現したところ、その求め方は合理的であり、擬似麻雀シミュレーションをやるよりもはるかにスマートと思われるので、その求め方を紹介すると共に、数値の是非を論じたい。
 なお、以下、断りもなくRATEと書くが、これは天鳳RATEであって、東風荘RATEではない(ただ、係数を変えれば変えれば同様に成立する)。

(なお、以下に記載するのは、彼の求め方を私になりに解釈したものであるので、彼と完全に同じである保証はない、この求め方の記載によって、私を論難するのは自由であるが、彼を論難するのは遠慮されたい

 見かけのRATE、安定RATE、これらはその人の実力に収束するようにできている
 例えば、あるプレーヤーの実力はRATEに換算して2200だった場合、見かけのRATE、安定RATEは2200に収束する。
 見かけのRATEと定RATEは収束しやすさ(標準偏差)が異なるが、そのことは変わらない。

 この点、平成29年1月21日午後5時に発表された七段の在位者1846名の平均RATEは2078である(天鳳サイト http://tenhou.net/ranking.html )。
 他方、十段の座位者21名の平均RATEが2246である。
 そこで、七段・十段の実力はRATEに換算して2078、2246とする。

 さらに、七段と十段3名が対局した際に収束するRATEは彼らの実力であると仮定する
 つまり、七段と十段3名が無限試合対局した際、七段・十段のRATEは2078、2246に収束すると仮定する。

 ちなみに、400試合以上打っている場合のRATEの変動式はtを順位とする場合に

(RATEの変動) = 10 ー 4t - 1 ÷ 200 × ( (自分のRATE)-(卓RATE))

となる(この式を作成するにあたっては天鳳のサイトを参照)。
 自分のRATEをRATEの収束値(実力)、RATEの変動を0とすれば、卓RATEは分かっているので、そのときの平均順位が分かる。
 つまり、

 ( 2.5 - (平均順位)) 
 = 1 ÷ 800 × ((RATEに換算したときのその人の実力) - (卓RATE))

 ちなみに、

(卓RATE)=(自分のRATE)×0.25+(他家RATE)×0.75

であるから、この式を整理すると

(その人の実力、RATE) =3200÷3×(2.5-(平均順位))+(他家RATE)

となり、安定RATEの公式そのものになる。

 さて、七段・十段の実力は既に仮定したとおりである。
 また、十段・十段・十段・七段の卓RATEは

 (2246+2246+2246+2078)÷4=2204

となる。
 ここから七段と十段の平均順位を求めると

 十段=2.4475
 七段=2.6575

となる(なお、順位分布は1位率から4位率となると仮定すれば、七段のラス率は約30%となる)。
 この結果はにせ国士さんの結果とほぼ同じである。
(微妙に違うのは、私が http://tenhou.net/ranking.html ここを見た際の十段座位者のRATEが1違っていからに過ぎず、計算ミスがあるからではない)。


 以上がにせ国士さんによる求め方である。
 擬似麻雀シミュレーションによる求め方だと、

① その人の実力を見かけ七段・十段の打った結果の平均順位を実力とする。
② 擬似麻雀シミュレーションにおいてそのような挙動を取るようにパラメータを調整する
③ シミュレーションして平均順位を見積もる。

 という、迂遠な方法を採用しているが、上の方法を用いれば、簡単に見積もれる。
 また、擬似麻雀シミュレーションを用いる必要もない。
 そのように考えると上の求め方は実に合理的であると言える。


 では、私のシミュレーション結果と彼の求めた結果がずれたのは何故か。
 ずばり実力の見積もり方が違うからである。

 私は見かけ七段の者、見かけ十段の者が天鳳の東南戦で打った平均順位から実力を見積もった。
 つまり、私がRATEから平均順位を見積もる場合、七段と十段の実力(RATE)は次のように見積もられる

 七段:平均順位2.511 他家RATE2126 安定RATE2113
 八段:平均順位2.486 他家RATE2126 安定RATE2140
 九段:平均順位2.47 他家RATE2126 安定RATE2157
 十段:平均順位2.443 他家RATE2128 安定RATE2188

 つまり、私は見かけRATEではなく安定RATEを用いて実力を見積もっている。
 ちなみに、初期パラメータをこっちにすれば、七段・十段の平均順位は

十段:2.476
七段:2.570

となり、これは擬似麻雀シミュレータの結論や『科学する麻雀』から求めた方法から求めた数値と大差ない
(逆に、実力をにせ国士さんが用いた値を使って擬似麻雀シミュレータのパラメータを調整し、平均順位を求めれば、にせ国士さんが出した数値に似た数値が出ることだろう)。
 にせ国士さんが求めた方法、凸が予測した方法、私が求めた方法、これらはどれも独立している。
 にも関わらず、似たような数値を出したということは、これらの予測方法はさらに信用性が高まったといえるであろう。


 では、実力の設定は、にせ国士さんの見積もり、私が見積もり、どちらが妥当であろうか?
 にせ国士さんは「座位者の見かけのRATE」から実力を予測した。
 また、私は見かけの七段・十段が現実に打った結果(平均順位)からその実力を予測した。
 簡単に言うと、私は安定RATEから実力を設定し、にせ国士さんは見かけのRATEから実力を予測した
 
 この点、在位者の現時点の見かけのRATEを用いる方が合理的なように思われる。
 何故なら、在位者の現時点のRATEを用いれば、たまたま十段になったものは短期間で十段から追い出され、その者の成績は排除されるからである。
 現に、見かけのRATEを用いた場合21名の数値しか参照されていない。
 それに、人の持つ「十段」のイメージを考えるならば、こちらの方がイメージに近いようにも思われる。

 だが、このサイトは私のサイトなので、とりあえず「安定RATE」を押しておく。
 というのも、「見かけ十段」という仮定ならば「過去十段になった者を排除すべきではないから」である。
 また、「たまたま十段になったものは短期間で十段から追い出され、その者の成績は排除される」と述べたが、別にこちらの求め方でも、確変で十段になった者は十段が維持できなければ九段に降段し、ちゃんと牌譜解析対象から外れるから、その点に対する問題点は一応配慮されている。


 と書いたが、どっちを信じるのもありのように思えるので、その辺はなんとも言えない。
 私自身、「安定RATE」と比較した場合、(精度の関係で)「見かけのRATE」をあまり信用していないという事情もあるし。
 その辺は、「どちらもあり」なのかなあ、という気がする。


 では、今回はこの辺で。

(七段と十段の平均順位が逆になっている旨指摘を受けたので、そこを訂正)
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コメント

No title

ある環境での平均順位がA~Dの4人が卓を囲ったとき、Aの成績は

Aの平均順位+2.5+(Aの平均順位-卓全員の平均順位合計)/3=Aの順位期待値

つまり2.5から自分の平均順位を引いたものを3等分して他家の平均順位に分配するという計算

ちなみに平均順位2.51、2.443、2.443、2.443の4人が卓を囲った場合、この計算だと
2.568、2.477、2.477、2.477 となります
割と近い数値ではないでしょうか?

超簡単に出せて精度も悪くなさそうな
にせ国士さんの理屈と近いものがあります


あと、私のデータの読み取りが間違っていなければ記事の七段と十段の平均順位の値が逆になってます


No title

 確かに、その計算方法もいいですね。
 疑似麻雀シミュレータに頼ることもなかったかも。

 あと、数値が逆転している旨の指摘ありがとうございました。
 さっそく訂正しました。

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 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

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 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

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