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とある局面の山読みに関する考察 補足

 以前、日本ジャンゴロ協会会長福地誠氏のブログに掲載されていた局面について、とつげき東北の山読み理論を具体化したシミュレータを用いて、それぞれの待ちを選んだときの当たり牌の枚数を求めてみた。

 関連URLはこちら

 福地誠ブログ、【麻雀】山読みできるか
 http://fukuchi.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-9cda.html

 とある局面の山読みに関する考察
 http://meaningless777.blog.fc2.com/blog-entry-589.html

 また、福地さんが掲載していた局面はこちら(めんどいので図を引用・掲載する)。

FC21701053.jpg 

 この局面において、シャンポン待ちを選んだ場合の当たり牌になる5mと7s、カンチャン待ちを選んだ場合の当たり牌になる6mがツモ山(43枚)の中に何枚あるかを調べてみた。
 その結果は次のとおりである。

 5m・0.65枚、7s・0.39枚、6m・1.75枚


 前回はそれ以上のことに関心がなかった(というのも、このプログラムをどこまで信じていいか分からなかったため)のでそれでおしまいにしたが、「この山読みの数値が正しいとして、どっちを選ぶべきか」という質問がささたろう氏(ツイッターアカウントは sasataromj )によってなされた
 個人的には、「『危険な牌を通して待ちをよくするか、安全牌を切って待ちを悪くするか』の選択においては、『危険牌を切って待ちをよくするべき』」という一般論があり、それを適用すればいいと思っていたのだが、「局収支からみてどうなのか」をつげき東北の局収支理論を具体化したシミュレータを用いて確認する(もちろん、この一般論が必ず今回の局面に妥当するとは限らないのは当然である)。


(以下、シミュレーションに置く仮定の説明、結果だけ知りたい人は読み飛ばしても良い)
 シミュレーションの理論は凸の局変化理論に従う。

 自分は西家、先制立直者は南家

 子の先制立直者のツモ時和了素点は7400点→立直者にツモられた場合の失点は1850点
 子の先制立直者のロン時和了素点は5600点→立直者に振った場合の失点は5600点
 宣言牌で放銃しなかった場合、被ツモ・横移動・放銃の場合はさらに1000点失点させる
 自分の手は40符3ハン、かつ、先制立直者の立直棒がある→自分が和了したときの平均取得点は約8500点
 流局した場合は押した場合は2人聴牌とする→流局時の得点は500点

 5mを切った場合のツモ山43枚にある6mの枚数は1.75枚→5mを切った場合のランダム牌和了率は4.07%
 6mを切った場合のツモ山43枚にある5mと7sの枚数は1.04枚→7mを切った場合のランダム牌和了率は2.42%
 追いかけ立直の和了時ツモ割合は約42%→先制立直者以外の2家の先制立直者・自分に対するランダム牌和了率は0.15
 カンチャンを選んだ場合の立直宣言牌にあたる5mの危険度については5%、10%だとしてそれぞれの和了率を求める(7巡目・無条件の片筋456の危険度は6.3%である)
 シャンポンを選んだ立直宣言牌にあたる7mの危険度については0%とする(下家が既に7mを切っている)。

仮定終了、なお、一般的な前提については一切書いてないので、知りたい方は個別にコメント欄に書かれたい)

 重要なのは、ツモ山(全部で43枚)から1枚引っ張ってきた場合に
  それが6mである確率は約4%、
  それが5mか7sである確率は約2.4%である
 という点である。

 以上の条件で、シミュレーションを行った。
 シミュレーション結果は次のとおりである。

・7mを切ってシャンポン待ち
 和了率25.4%、放銃率24.6%、局収支ー300点
・5mを切ってカンチャン待ち、5mの危険度は5%
 和了率35.8%、放銃率25.0%、局収支720点
・5mを切ってカンチャン待ち、5mの危険度は10%
 和了率33.9%、放銃率29.0%、局収支390点

 まず、アンパイ7mを切ってシャンポン待ち立直をした場合の和了率は約25%、局収支はー300となった。
 他方、5mの危険度が5%の場合に5mを切ってカンチャン待ち立直をした場合の和了率は約36%、局収支は約720点となった。
 さらに、5mの危険度が10%の場合に5mを切ってカンチャン待ち立直をした場合の和了率は約34%、局収支は約390点となった。
 特に何も考えない場合、7巡目の片筋456の危険度は6.3%だから、5mを切った場合の局収支は約600点になりそうである。
 そうすると、5mを切った場合の局収支は7mを切った場合の局収支より900点近く高くなることが予想される(仮に5mの危険度を10%としたところで700点近く高くなる)。
 となると、「宣言牌の危険度を考慮しても、5mを切った方が有利」と言えそうである。


 こうなった理由は6m待ちの待ちが強いからである。
 この点、1種(カンチャンペンチャン単騎)の無筋456待ち追いかけ立直のランダム牌和了率を自分から見える枚数毎に調べた場合、

 見える枚数0枚(4枚見えない)・ランダム牌和了率3.8%
 見える枚数1枚(3枚見えない)・ランダム牌和了率3.2%
 見える枚数2枚(3枚見えない)・ランダム牌和了率2.4%

となった(ランダム牌和了率=ツモ山から牌を1枚持ってきた場合にその牌が当たり牌である確率)。
 この数値と比較すると、カン6m待ち(ランダム牌和了率4.1%)の待ちのよさは通常の4枚よりも上である。
 他方、5m7sシャンポン待ち(ランダム牌和了率2.4%)は実質2枚見えと同じくらいになっている。
 実質4枚VS実質2枚の対決となってしまえば、6m待ち(5m切り)の方が大いに有利になってもおかしくないだろう。
 このことがシミュレーションに反映された結果、6m待ち(5m切り)が有利になったものと思われる。


 以上、参考にしていただければ幸いである。


(追伸)
 今回は局収支の比較を行ったが、段位ポイント期待値ならどうなるかは一考を要する。
 しかし、福地は立直の時点でラスであること、段位戦(七段)の南1局の18000点~19900点の8000点和了価値指標が1.16であり、1~1.25の範囲に収まっていることを考慮すればを考えれば、局収支の判断と段位ポイント期待値の判断が大きくずれるということはないように思われる。
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