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強さの幻想 前編

 今日は少し変わったネタを。
 お題は「『私は雀荘でn万(円)勝った』という言葉の価値」
 勝ち額(収支)それ自体で実力を測ることの合理性、といってもいいかもしれない。


(ここから数値を求めるために用いた擬似麻雀シミュレータの説明、興味のない人は飛ばしてよい)

 私は擬似麻雀シミュレータを持っている。
 擬似麻雀シミュレータというのはとつげき東北がこのサイトで公開しているシミュレータであり、私が持っているのはこれの赤アリバージョンである。

 とつげき東北HP、麻雀研究用シミュレータ MJSIM0
 http://totutohoku.b23.coreserver.jp/hp/MJSIM0.htm

 この点、一定の点数状況から平均順位などを予測するものとしてnisiシミュレータがある。
 しかし、私の作った擬似麻雀シミュレータは、とつの擬似麻雀シミュレータ同様、4人の和了率や放銃率を動かすことができる
 さらに、とつの擬似麻雀シミュレータと異なり、私の作った擬似麻雀シミュレータのパラメータはクイタンアリ・赤アリのパラメータを使っている
 (凸の擬似麻雀シミュレータは当時の第一東風荘ルール、つまり、クイタンナシ赤ナシのデータを使っているものと推測される)
 というわけで、私の擬似麻雀シミュレータにはちゃんと独自性がある。
 UIはなく、エクセルでパラメータファイルを作り、エクセルで計算結果を出力する仕様であるが、よければ公開しようかと思っている。


(ここから本題)

 さて、この擬似麻雀シミュレータを使って、「雀荘における収支」がどの程度ばらつくのかを調べてみた。
 今回は100試合の場合、次回が1000試合の場合、次々回が10000試合の場合である。


 シミュレーションにおける仮定は次のとおり。

 自分の実力を平均順位2.4程度をマークできる程度の実力とする
 (一般プレーヤーより和了率が1.4%高く、放銃率が1.4%低いものと設定)
 自分は南家で固定(便宜のため、これは殆ど影響しない)
 ルールはクイタン赤アリ・聴牌連荘の東南戦
 オカは25000点の30000点返し、ウマはワンスリー
 チップは一発裏赤、鳴きにもつき、1枚5000点相当とする
 場代は一律5000点相当(500G)、トップ賞はなし
 
 以上の条件で「100試合打つ」を100回行い、平均順位や勝ち額の平均、標準偏差を求めてみた。
 結果は次のとおりである(ログは下に列挙した)。

 平均順位の平均 2.4016 平均順位の標準偏差 0.122
 収支の平均5900円 収支の標準偏差 63000円

 まず、平均順位についてみることでシミュレーションの妥当性をチェックしよう。
 このシミュレーションで仮定したプレーヤーの実力は平均順位2.4である。
 他方、シミュレーション結果から得られた平均順位の平均値は2.4016であり、仮定したプレーヤーの実力とほぼ整合している。
 また、100試合打ったときの平均順位の標準偏差は0.112であるが、今回のシミュレーションによる標準偏差は0.122であり、ほぼあっている。
 よって、このシミュレータはちゃんと稼動しているといえよう。

 シミュレーションがちゃんと動いていることを確認したので、勝ち金額の平均・標準偏差をみてみよう。
 まず、収支の平均値は約5900となった。
 場代(1試合500)を払った上での結果であるから、これは場代勝ちである。
 以前、『統計で勝つ麻雀』で「テンピンで場代勝ちを目指すなら平均順位2.4を目指せ」と書いたが、今回のシミュレーション結果はそれにも整合する。
 
 他方、収支の標準偏差は約63000となった。
 これが何を意味するかというと、4分の1の確率で(平均より)4万以上勝ち、4分の1以上の者は(平均より)4万以上負けることを意味する
(現に、今回のシミュレーションで4万以上勝った者は27人、4万以上負けたものは22人いた)

 確認しておくが、全員は同じ実力である
 しかし、100試合打ったときに、プレーヤーの4分の1以上は平均より4万以上勝ち、プレーヤーの4分の1以上は平均より4万以上負ける
 この4万をポイントに直すと400ポイントである。
 100試合打って400ポイントも差がつけば、100試合打って勝ち額の差が4万もあれば、実力に差があると思うであろう
 しかし、これは偶然としてありえないレベルではなく、よく起こる現象なのだが。


 この原因はなんなのだろう。
 100試合だからこんなことになったのだろうか?
 それとも他に原因が?
 そこで、次回は1000試合について同じように調べてみる。
なお、結論に気付いた人もいるだろうが、それは最後まで黙っていてくれると助かる


 なお、シミュレーション結果は次のとおり。
(以下のログをコピペしてテキストファイルに保存し、エクセルで開いて、コンマで分割すれば表に出来る)

Player0,2.23,75500
Player1,2.47,-46200
Player2,2.31,36100
Player3,2.56,-92400
Player4,2.28,90500
Player5,2.41,-35100
Player6,2.28,54900
Player7,2.49,-63600
Player8,2.36,34500
Player9,2.53,-87600
Player10,2.23,59400
Player11,2.42,300
Player12,2.42,-14600
Player13,2.53,-67600
Player14,2.36,62800
Player15,2.4,-300
Player16,2.21,86800
Player17,2.28,30900
Player18,2.64,-88800
Player19,2.14,156200
Player20,2.66,-114100
Player21,2.55,-33900
Player22,2.24,84500
Player23,2.4,19100
Player24,2.35,13200
Player25,2.55,-46600
Player26,2.33,28900
Player27,2.64,-120700
Player28,2.59,-70400
Player29,2.52,-38800
Player30,2.61,-109300
Player31,2.42,22500
Player32,2.39,-3600
Player33,2.28,62000
Player34,2.32,25800
Player35,2.6,-81500
Player36,2.46,-5000
Player37,2.28,112100
Player38,2.45,-200
Player39,2.38,-2200
Player40,2.16,136100
Player41,2.43,43200
Player42,2.22,108300
Player43,2.47,1000
Player44,2.37,59100
Player45,2.37,57200
Player46,2.42,-9400
Player47,2.42,-15000
Player48,2.41,-6500
Player49,2.42,41300
Player50,2.17,139600
Player51,2.71,-168900
Player52,2.69,-131600
Player53,2.46,-42600
Player54,2.49,-40600
Player55,2.43,11600
Player56,2.43,14900
Player57,2.38,9800
Player58,2.42,8700
Player59,2.27,37400
Player60,2.4,-24600
Player61,2.48,-25700
Player62,2.43,26700
Player63,2.34,9700
Player64,2.47,-17000
Player65,2.26,65400
Player66,2.48,-31700
Player67,2.58,-52400
Player68,2.29,74900
Player69,2.23,57300
Player70,2.4,-4100
Player71,2.32,36200
Player72,2.24,71000
Player73,2.32,51200
Player74,2.37,21100
Player75,2.51,-71200
Player76,2.23,107700
Player77,2.43,-100
Player78,2.5,-79700
Player79,2.44,-27700
Player80,2.4,-4000
Player81,2.29,52900
Player82,2.41,-27000
Player83,2.17,116200
Player84,2.41,-33400
Player85,2.42,22000
Player86,2.25,100500
Player87,2.37,30500
Player88,2.41,3300
Player89,2.5,-36400
Player90,2.45,-20700
Player91,2.49,-52300
Player92,2.38,36200
Player93,2.37,21400
Player94,2.32,36500
Player95,2.58,-77100
Player96,2.26,61700
Player97,2.52,-69300
Player98,2.36,38300
Player99,2.37,14400


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 もちろん、牌譜分析をした結果をそのまま表示する場合、重複する場合、後で細かく書く場合、他に書かれていて書く必要がない場合、情報の速報性を重視する必要のある場合は別ですが、それはあくまで例外です。

 このブログの文章の第一のターゲットは、後世の麻雀研究者になっております。
 次が、巷に流れる麻雀戦術が正しいのかを知りたい人、理由付きで麻雀戦術を知りたい人になります。
 申し訳ありませんが、麻雀戦術が使えるようになりたい、麻雀戦術を分かりやすく知りたいと思われる方は、このサイトの99%は役に立たないと思います。
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2 分かりやすさへの配慮について

 なお、理想論としては、私は、このブログの文章の内容を分かりやすく説明するところまでもっていきたいとは思っております。
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 リクエストされた時の私の状況にもよりますが、出来る限り対応したいと思います。


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 当サイトは「科学する麻雀」の理論を発展させることを目的としております。
 もちろん、発展の中には、「細かい修正」も入りますが、できれば、天鳳の赤アリ麻雀の牌譜を分析し、必要であれば、抜本的な理論の改変も目標にしたいと思います。
 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

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 基本的に、ネット上のブログに引用する際には、

 ① 私がシミュレーション又は牌譜解析したこと
 ② このサイトのデータである旨

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(ただし、あたかも私が行った牌譜解析・シミュレーションを自分がやったかのように記載して転載するのはやめてください)。

 しかし、

 ① 営利目的使用
 ② 紙媒体に使用する場合

 は、コメントにて、私にご一報ください。
「① 私がシミュレーション又は牌譜解析したことの記載、②このサイトのデータである旨の記載」さえあれば、拒否することは致しませんが、私に再試の機会を与えていただきたいと思っているためです。

 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

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