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和了率と打点のバランスの採り方

 最近、私は一向聴や二向聴の牌譜解析結果を公開している。
 その際、様々なパターンの和了率を比較するといったことをしている。
 例えば、くっつき一向聴と愚形待ち立直の比較だったり、ヘッドレス一向聴や通常の一向聴などの比較だったり。

 その際、和了率と何かを用いることで「手の高さと和了しやすさのバランス」について検討することが出来る。
(なお、その際には平場であることを前提とするが)。
 では、何を持ってくればいいだろうか。

 この点、和了時素点(打点)を持ってくればいいと思うかもしれない。
 しかし、打点を持ってくると、和了できなかった場合の失点を考慮することができない
(和了できなかった場合の失点を0と考えるなら、和了時素点を持ってくることは適切である)。

 思うに、局収支は次のような方法で求められる。

(局収支) = (和了率) × (和了時素点) ー (非和了率) × (非和了時の失点平均)
      = (和了率) × ((和了時素点) + (非和了時の失点平均))
        ー (非和了時の失点平均)

((非和了時の失点平均)は正にとる、また、(和了率)と(非和了率)の和は1である)

 そこで、和了できなかった場合の失点も考慮するため、
  和了素点に非和了時の失点平均を加えた値を比較することで、
  手の高さと和了率のバランスを考えていきたいと思う。
 なお、この和了素点に非和了時の失点平均を加えた値のことを打点効果と呼ぶ。


 さて、打点効果を求めるためには、非和了時の失点平均が分からなければならない。
 それを、牌譜解析結果(実測値)から求めてみよう。

 関係データをそろえたところ

 放銃率 13% 放銃失点平均 5100点
 被ツモ率 25% 被ツモ時失点平均 2300点
 横移動率 25% 横移動時失点平均 0点
 流局率 16% 流局時失点平均 200点

 となった(流局時に失点する可能性が高いのは流局時の聴牌割合が50%を切るからである)。
 
 よって、非和了時の失点平均は

(0.13 × 5100 + 0.25 × 2300 +0.16 × 200)
 ÷ (0.13 + 0.25 + 0.25 + 0.16)
= 1600

 となった。
 ここでは、数値をきりのいい数値にするため非和了時平均失点を1500点とする。

 すると、打点効果を求めるためには、和了時素点に1500点を加えればいい
 例えば、30符1ハンであれば1000点に1500点を加えるので、打点効果は2500点となる。


 ピンと来ない人はこう考えればいい。
 確かに、クイタンのみで和了することは1000点の効果しかない
 しかし、和了できなかった場合に(平均して)1500点失うことを考慮すれば、クイタンで和了することは2500点分の意味(効果)がある、と。

 和了時素点をそのまま見てしまうと、和了できなかった場合のリスクが0とみなしてしまうが、
  打点効果で見れば、和了できなかった場合の効果を考慮できている。
 そのための指標なのだと。
  

 さて、非和了時平均失点が分かり、打点効果の求め方も確定したので、諸々の状況での和了時素点と打点効果を求めてみようと思う。
 ついでに、それぞれの打点効果の比も求めてみよう。
 それらを一覧できるようにした図が次のとおりである。

FC21611086.jpg 

 なお、和了時素点・打点効果を求める際には

 立直メンツ手 一発割合19%、ツモ割合50%、裏1割合24%、裏2割合4%、裏3割合2%
 チートイメンツ手 一発割合19%、ツモ割合33%、裏2割合21%
 ダマ・フーロ手 ツモ割合30%

 で求めている。

 グラフの見方を簡単に説明する。
 一番左のラベルは自分の手である。
 自分の手が2600立直(40符2ハン立直)であれば、40符2ハン立直のラインを見れば、それに関連する値は全部分かる。
 次に、和了時素点はツモ・一発・裏ドラを考慮した場合の素点平均を求めたものである。
 打点上昇は和了時素点に1500点を加えたものである(その意義は前述の通り)。
 そこから右の「30符1ハンフーロ」から「25符3ハンダマ」とあるのは、自分の手の打点効果からラベルにある打点の打点効果を割った値である。
 簡単にいえば、打点効果の比である。
 例えば、「40符2ハン立直」のところの「30符1ハンフーロ」の数値は2.6になっている。
 これは、40符2ハン立直の打点効果から30符1ハンフーロの打点効果を割った値が2.6であることを示している。
 打点効果で見た場合、40符2ハン立直は30符1ハンフーロの2.6倍の価値があることを示している。


 さて、重要と思われるものをみていこう
 (なお、上の数値は全部覚える必要はない、手の高さと和了率のバランスを見たい場合に、必要なところをみれば十分である)。 


 まず、立直自体の1ハンアップの効果について。
 40符2ハンの打点効果は6500点(和了素点は5000点)、40符1ハンの打点効果は4300点(和了素点は2800点)となった。
 満貫には程遠いので、1ハンアップによって打点関係の数値は倍になるかと思いきや、和了できない場合には失点することを考慮すると、1ハンアップの効果は1.5倍程度にしかならない
「1ハンアップで打点は倍になるから和了率が半分くらいまで減るまでは大丈夫」というのはおそらく間違いということになる。
 ちなみに、40符3ハンの打点効果は9000点(和了素点は7500点)、40符1ハンの打点効果は6500点(和了素点は5000点)となった。
 こちらも立直における1ハンアップの効果は1.5倍程度である(厳密には1.5倍を切る)。
 和了できない場合の失点を考慮するならば、1ハンアップの打点効果の上昇分は1.5倍というのはある程度覚えておいたほうがいいかもしれない。


 次に、立直自体の効果についてみていこう。
 30符2ハン立直の打点効果は5200点(和了素点は3700点)、30符1ハンダマの打点効果は2700点(和了素点は1200点)となった
 (ピンフのみをデータに入れるの忘れてしまった、、、><)。
 40符2ハン立直の打点効果は6500点(和了素点は5000点)、40符1ハンダマの打点効果は3000点(和了素点は1500点)となった。
 30符3ハン立直の打点効果は7800点(和了素点は6300点)、30符2ハンダマの打点効果は3700点(和了素点は2200点)となった。
 40符3ハン立直の打点効果は9000点(和了素点は7500点)、40符2ハンダマの打点効果は4500点(和了素点は3000点)となった。
 30符4ハン立直の打点効果は10600点(和了素点は9100点)、30符3ハンダマの打点効果は5800点(和了素点は4300点)となった。
 40符4ハン立直の打点効果は10700点(和了素点は9200点)、40符3ハンダマの打点効果は7500点(和了素点は6000点)となった。

 40符4ハン(ダマ5200)を除けば、ダマ→立直の打点効果の上昇分は概ね2倍である。
 素点だけを見れば一発裏ドラなどの効果により2倍以上の効果が見える立直ではあるが、和了できない場合の失点を考慮すると、立直の威力は概ね「打点効果2倍」のようである。
 この結論を見ると、超愚形待ちなど立直によって和了率が半分になる場合は立直すべきではないようである。


 最後に、フーロ聴牌と門前(立直の打点)を比較しておこう。

 30符1ハン(フーロ)の打点効果は2500点(和了素点は1000点)、40符2ハン立直の打点効果は6500点、30符3ハン立直の打点効果は7800点である。
 30符2ハン(フーロ)の打点効果は3500点(和了素点は2000点)、40符3ハン立直の打点効果は9000点、30符4ハン立直の打点効果は10600点である。
 30符3ハン(フーロ)の打点効果は5400点(和了素点は3900点)、40符4ハン立直の打点効果は10700点、30符5ハン立直の打点効果は12700点である。

 和了素点だけを見れば、フーロ聴牌にすることによる打点減少の影響は強いように見える(40符2ハン立直→30符1ハンフーロの場合、和了時素点は約5分の1になる)。
 しかし、打点効果から見れば、つまり、和了できない場合の失点の効果を考慮すれば、フーロによる打点減少の効果はそれ程でもない
 概ね2.5分の1~3分の1程度である。
 
 
 以上、和了率と打点のバランスを取るための一般論について書いてみた。
 以降、このブログで打点と和了率のバランスについて言及する場合にはこの基準によって議論を進めていこうと思う。


 では、今回はこの辺で。
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