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麻雀研究とは何か 8-2

 今回は前回の続き。

 前回、「雀荘戦では平均順位(順位のよさ)が大事(平均順位を高めながら、自然にトップ率も高めるべきであり、トップ率だけを不自然に高めるべきではない)」ということを述べた。
 その証拠として、「トップ率(ラス率)を5%単位でコントロールすることは容易ではない」ことを牌譜解析結果から推測した。
 ここでは、平均順位をよくすることとトップ率のみを高めることの効率を比較をすることで雀荘戦・段位戦におけるトップ率・ラス率の重要度(平均順位の重要度)について検討したい。


 まず、雀荘戦について。
 とりあえずルールは東南戦、ウマはワンスリー、オカは25000点の30000点返し、チップはなしとする。
 また、簡単化のため、順位分布は1位率から4位率が等差数列になるように決定する
(例えば、平均順位が2.4であれば、トップ率は28%、2位率は26%、3位率は24%、ラス率は22%)。
 さらに、トップになったときの持ち点の平均が43000点、2位になったときの持ち点の平均が31000点、3位になったときの持ち点の平均が19000点、4位になったときの持ち点の平均が7000点とする(これは実測値にあうように、かつ、それぞれの持ち点の平均点が等差数列になるように設定した)


 以上の条件において、半荘収支の平均は次のような式によって表される。

(半荘収支平均) = ((素点平均)-30000)÷1000 
           + (トップ率(%))÷100×50
           + (2位率(%))÷100×10  
           - (3位率(%))÷100×10  
           - (4位率(%))÷100×30

 なお、

 (1位率(%)) = 100 - 30 × (平均順位)
 (2位率(%)) =  50 - 10 × (平均順位)
 (3位率(%)) =     + 10 × (平均順位)
 (4位率(%)) = -50 + 30 × (平均順位) 
 (素点平均)   =  (1位率(%)) ÷ 100 × 43000 
            +(2位率(%)) ÷ 100 × 31000
            +(3位率(%)) ÷ 100 × 19000
            +(4位率(%)) ÷ 100 × 7000
          = ー12000 × ((平均順位)-2.5) + 25000

 1位率から4位率と素点平均を半荘収支に代入すると

(半荘収支)= (トップ率(%)) × 0.2 ー 20 × ((平均順位)ー2.5)
        ー 12 × ((平均順位)ー2.5) ー 5
となり、

(半荘収支)= 0.2× (トップ率(%)) - 32 × (平均順位) + 75

となる(『統計で勝つ麻雀』で示した数式とほぼ同じである)。

 平均順位をそのままにトップ率を5%を上昇させた場合、半荘収支は1ポイント増える
(0.2×5=1)。
 他方、平均順位が32分の1、つまり0.03125増えた場合も半荘収支は1ポイント増える。
 よって、「半荘収支の観点から見た場合、トップ率を5%増やすことと平均順位を0.03125増やすことが等価」と言える。
 不自然にトップ率を5%増やすことは困難であることは先の牌譜解析結果で示した。
 他方、平均順位を0.03125増やすことは平均順位をそのままにトップ率を増やすことに比べれば容易である(鳳凰卓において平均順位のちらばりは2.37~2.59であり、真ん中より平均順位が0.03125高いプレーヤーは普通に存在する)。

 このことから、「雀荘戦においては、半荘収支を高める観点から見れば、平均順位を増やし(それに伴ってトップ率を増やすこと)が大事であり、トップ率を特化して増やす必要はない」と言える。


 以上は雀荘戦の話である。
 では、段位戦ならばどうだろう。

 例によって、1位率~4位率までは等差数列とする。

 七段の段位ポイント期待値は

(段位ポイント期待値) = (1位率(%))÷100×90
              +(2位率(%))÷100×45
              ー(4位率(%))÷100×135
            = - 45 × (平均順位) + 135 - 90 × (ラス率(%))÷100
           
となり、

(七段・段位ポイント期待値) = -0.9×(ラス率(%))ー45×(平均順位) + 135

 となる。
 この場合、平均順位をそのままにラス率が5%増えると段位ポイント期待値は4.5ポイント下がる。
 他方、平均順位が0.1悪化すると段位ポイント期待値は4.5ポイント下がる。
 よって、七段の段位ポイント期待値から見た場合、平均順位0.1とラス率5%が等価となる。
 雀荘戦(半荘収支)の場合と比較して、ラス率の価値が重い
(ラス率5%増やすことが無理なことは言えるとしても、鳳凰卓で全体より平均順位を0.1高めるのもかなり難しい)。
 となると、「段位戦において雀荘戦と同様に段位戦でも平均順位重視で打てばよく、ラス率を不自然に下げる必要はない」といっていいかは分からない
 
 ちなみに、十段の場合

(十段・段位ポイント期待値) = -1.35×(ラス率(%))ー45×(平均順位) + 135
 
となる。
 すると、十段の段位ポイント期待値から見た場合、平均順位0.15とラス率5%が等価となる
 ますますラス率の価値が重くなる。
 この辺になると、「不自然にラス率を下げる必要がある」となっても不思議ではないかと思う。
(そのコントロールが容易か否かは別としても)。


 以上、雀荘戦や段位戦におけるトップ率・ラス率の重要性について調べてみた。
 特に、どのような関係があるといえるのか、何故そのようにいえるのか(その際にどのような仮定を置いたのか)についても詳細に記載した
 参考にしていただければ幸いである。
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 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

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 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

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