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麻雀研究とは何か 8

 前回はとつげき東北の点数と順位の理論(平場論)について触れた。
 今回は「平均順位(順位のよさ)の重要性」について
 なお、出発点は『科学する麻雀』である。


『科学する麻雀』の89ページには次の記載がある。

(以下、引用、強調は筆者、なお文中このレートというのは「ウマワンスリー」である)
「金銭的収入」を考えたルールでは、トップを取ることが非常に大事なようにも思えるが、実際にはトップ率が5%上がっても、多くとも平均順位が0.05上がることと同じ価値しかないのだ(このレートの場合)。トップ率を25%から30%と上げることは一般に非常に困難だが、平均順位2.50→2.45と上げることはそれと比べて難しくない。
「(長期的な意味で)強くなること」とは、平均順位を上げ、それに伴って自然な形でトップ率を向上させること」であって、極端にトップ狙いに走ることではないことが分かる
(引用終了) 

 つまり、「雀荘戦でもトップ率にこだわらず、順位のよさ(平場なら局収支)重視で行け」というわけである。

 ところで、平均順位とトップ率の分布ってどうなっているのだろうか?
 以前、平均順位と安定段位の分布は調べてみたが、トップ率と平均順位の分布は調べていない。
 そこで、今回は、平均順位とトップ率の分布、平均順位のラス率の分布について調べてみようと思う。


 まず、平均順位とトップ率の分布から。
 なお、散布図に掲載された対象は「天鳳・鳳凰卓・クイタン赤アリの東南戦で2009年から20015年12月31日までの間に1000試合以上打った人」である(プレーヤーは840人いた)。
 なお、直線と式は分布図を線形近似した直線と直線の式である。

FC21611021.jpg 


 グラフを見てみよう。
 平均順位2.50近辺(2.45~2.55)で見た場合、トップ率が特異的に高くなっている(トップ率30%以上)プレーヤーはいなかった。
 トップ率が29%以上のものはない。
 とすれば、結果的にトップ率が不自然に高まっているプレーヤーはいないようである。

 また、平均順位は2.37~2.59に分布しているが、トップ率は20~30%の間にある。
 順位分布が等差数列になると仮定した場合、平均順位2.59のトップ率は22.3%、平均順位2.37のトップ率は29.2%である。
 すると、順位分布が等差数列になると仮定したときのトップ率の範囲と現実のトップ率の範囲はほぼ同じである。 
 そう考えると、それなりの実力(平均順位)を維持しつつ、トップ率だけを異常に高めるというのは難しいように思われる。


 さて、天鳳といえば「ラス回避」である。
「鳳凰民はトップ率には執着しない」と思われる方もいよう。
 よって、ラス率について同じように調べてみる。

 平均順位とラス率の分布は次のグラフのとおりである
(なお、黒の直線と数式は順位分布を線形近似したときの直線とその数式である)。

FC21611022.jpg 

 トップ率と異なり、ラス率は天鳳・鳳凰民であれば出来るだけ下げたい指標のはずである
 (ラス率自体は意識しなくても、ラスを取らないこと、つまり、ラスの回数を下げようとは思うはずである)。
 しかし、グラフ全体を見た場合、ラス率は19~30%の間に分布しており、特異的に(順位分布が等差数列を取ると仮定した場合のラス率に対して5%以上離れて)ラス率が高くなった、低くなった、というプレーヤーはいない
 とすると、ラス率のみを下げようと思っても、なかなかコントロールできないのではないかと思われる。
 そして、この結果から雀荘戦におけるトップ率もなかなかコントロールできないのではないかと思われる。


 このように見ると、「トップ率を25%から30%と上げることは一般に非常に困難」という『科学する麻雀』の記載はデータの(牌譜解析による)裏づけが取れたと言える。
 つまり、「雀荘戦でもトップ率にこだわらず、順位のよさ(平場なら局収支)重視で行け」という結論部分は牌譜解析結果から裏付けられたといえる。


 今回はこの辺で。
 次回は、「雀荘戦では平均順位が重要ということは分かった。では、段位戦ならどうか」という話題に移る予定である。
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 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
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