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鳳南七段は天鳳位にたどりつけるか?

 きっかけは、天鳳界のブロガー「巷の打ち手さん」の次のツイートである。

 巷の打ち手 ‏@chimatanoutite
 天鳳の段位シミュレーターがすげーショックだったっていう話は以前したんだけど、それに「全順位を均等に取る安定段7の人が天鳳位に到達する平均ゲーム数」とか算出させたらどうなるんだろ?と思っちゃうんだけどなぁ。みんな体感を過剰に評価してロマンチストになってねーか?
(ツイッターのURL https://twitter.com/chimatanoutite/status/789254305496772608 )


 興味を引いたのは、「安定段位7の人が天鳳位に到達する平均試合数」である。
 これは調べようと思えば調べられる。
 時間がたくさんかかりそうなので手をつけていなかっただけで。

 この点、「たくさん時間がかかる」とは思っていたが、具体的にどれくらいかかるか把握しているわけではない。
 また、サンプル数を小さくすれば、シミュレーションの試合数を増やしても計算時間を短縮することができる。
 そこで、「安定段位7の人が天鳳位に到達する平均試合数」を調べてみることにした。


 もっとも、平均順位2.5だけの場合を調べるのもあれなので、
  平均順位2.5(安定段位約7)の場合
  平均順位2.475(安定段位約7.5)の場合
  平均順位2.45(安定段位約8)の場合
  平均順位2.425(安定段位約8.6)の場合
  平均順位2.4(安定段位約9.2)の場合
  平均順位2.375(安定段位約9.8)の場合

の場合についても調べてみることにした。


 シミュレーションの条件は次のとおり。

 シミュレーションのサンプルサイズは10000回
 1回のシミュレーションにつき鳳凰卓と特上卓の東南戦をあわせて1億試合打つ。
 開始RATEは2125、開始段位は七段、開始段位ポイントは1400
 鳳凰卓で打てる場合は鳳凰卓で打つ
 鳳凰卓で打てない場合(RATE2000未満、又は六段以下)に限り特上卓で打つ。
 天鳳位になるか特上卓から陥落したら(RATE1800未満または四段降段)シミュレーション終了
 鳳凰卓であれ特上卓であれ順位分布は1位率から4位率が等差数列になるように決定する。
  例えば、平均順位2.4の場合、順位分布は28%、26%、24%、22%とする。
 対戦相手のRATEは一律とし、鳳凰卓はRATE2125、特上卓はRATE1950とする。
 特上卓における平均順位は、鳳凰卓における安定RATEと特上卓における安定RATEが同じになるように設定する。
 具体的には、特上卓の平均順位は鳳凰卓の平均順位から0.164引いた値を採る。
 特上卓における順位分布は鳳凰卓同様、1位率から4位率が等差数列になるように設定。


 シミュレーション結果からそれぞれの順位分布を採るとした場合の
 (上卓に行く前に)天鳳位になれた確率、天鳳位になれた場合の試合数の平均・標準偏差を求める。
 結果は次のとおり。
 
FC21610205.jpg


 色々みていこう。

 平均順位2.5(安定7段)が鳳凰卓又は特上卓で1億試合打った場合、天鳳位の就任率は97.5%となった。
 少なく見積もっても(95%信頼区間を考慮しても)97%以上の確率で天鳳位になれる、とみていいだろう。
 そして、その際の試合数の平均は約1300万試合となった。
 となれば、「1億試合程度打てば鳳南七段でも天鳳位になれる、2000万試合打てば天鳳位になれる可能性が高い」と言えそうである。

 もっとも、東南戦1試合に30分で済ませられると仮定しても、1億試合打つためにかかる時間は約5700年(もちろん食事睡眠などの休憩をしないで、である)。
 事実上これだけの試合数をこなすのは不可能である。
(仮に、2000万試合としたところで約1140年かかる)

 某所で「爆打が鬼打ちすれば天鳳位になれる可能性がある」という話がなされたらしいが、現状(爆打の安定段位は今のところ約7である)のままであれば、「爆打」が天鳳位になることは事実上不可能であるといってもよい。

 つまり、「鳳南七段であっても数打てば天鳳位になれる」というのは現実的な話ではない
「猿にタイプライターを打たせていれば、ハムレットが出来上がる」レベルよりはマシかもしれないが、現実的ではないことは確かだ。


 このことは、鳳南7.5段(平均順位2.475)についてもいえる。
 1億回打ったときの天鳳位就任率は100%となったが、かかった試合数の平均は約100万試合
 100万試合こなすために必要な時間は1試合30分と仮定して約57年
 一生涯かければ可能かもしれないが、57年寝ないで打ち続けなければならないのだから、事実上不可能であると言ってもいいだろう。

 また、鳳南八段(平均順位2.45)からでもやや厳しいのではないかと思う。
 鳳南八段の天鳳位就任までの試合数の平均は約12万試合
 休憩なしでぶっ続けで打ち続けて約7年。
 安定段位8.0に進化した「爆打」ならぎりぎり可能だとしても、人間には難しいかもしれない。 


 続いて、鳳南8.6段(平均順位2.425)の場合、天鳳位就任までの試合数の平均は約2万試合となった。
 所要時間は約1万時間。
 週20試合(年間1千試合)として約20年かかる計算になる。
 これで人間にはぎりぎり可能なラインか。
 ちなみに、24時間365日打ち続けられるのであれば1年ちょっとなので、AIの場合は無理ではないかもしれない。
 

 最後に、鳳南9.2段(平均順位2.4)、鳳南9.8段(平均順位2.375)の場合、天鳳位になるまでの平均試合数は約6100試合、約2700試合となった。
 以前も似たような結論を段位変動シミュレーションから導いたことがあるが、現実的な範囲で試合数をこなすという条件の場合、天鳳位になるためには最低でも安定段位9.0クラスはないといけないように思われる。


 以上、天鳳位になるために必要な試合数の平均についてみてきた。
 ざっと見た感想を述べれば、「鬼打ちすれば天鳳位になれる」という発言は、安定段位が9(最低8.5)以上のお話であり、それ以下であれば事実上不可能なような気がする。
 つまり、天鳳位になることはそれ自体偉業なのである。
(安定段位9.0が相対的にどれだけ大変かは別途記事にしているため、ここでは説明を省略する)


 では、今回はこの辺で。
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コメント

No title

これは実力n段のある人物が天鳳位になる、という話ですから、
「七段程度の実力しかない誰か」が天鳳位になってしまう(という表現が正しい気がします)、という話であれば人数分の試行が行われるわけですよね。
とはいえ、見た目七段が1903、八段が572では誰かが打数と上ブレによって天鳳位になる、というのもほとんどありえなさそうですね。

No title

>「七段程度の実力しかない誰か」が天鳳位になってしまう(という表現が正しい気がします)、という話であれば人数分の試行が行われるわけですよね。

 その通りです。
 一定の試合数(東南戦)を打った場合の天鳳位就任率を知りたければ、こちらのサイトが参考になります。

我打麻将の研究ノート・最高到達段位の確率分布
http://blog.livedoor.jp/wo_da_majiang/archives/52148692.html

 これを見ると、鳳凰卓において東南戦を通算5000試合打った場合(5000試合というは現実的に考えればこの辺かと思います)の天鳳位到達率は鳳南八段が約3.3%、鳳南七段が約0.04%になっています。
 とすれば、鳳南八段が約40人、鳳南七段が約2500人集めて東南戦を5000試合打てば、それぞれ1人くらいは天鳳位が出現するかもしれません。
 

>とはいえ、見た目七段が1903、八段が572では誰かが打数と上ブレによって天鳳位になる、というのもほとんどありえなさそうですね。

 これは今回の結果からはわかりません。
 上のURLのサイトの天鳳位到達率を見ながら具体的に考えるか、別途モデル(多数試合者から鳳凰民の実力分布を仮定してモデル化する)を作ってシミュレーションするしかないと思います。
 今のところその予定はありませんが。

No title

丁寧な返信ありがとうございます。

いまのところ、鳳南を5000試合以上打った人というのは42人、2000試合以上打った人ですら361人しかいないようですね。

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 もちろん、発展の中には、「細かい修正」も入りますが、できれば、天鳳の赤アリ麻雀の牌譜を分析し、必要であれば、抜本的な理論の改変も目標にしたいと思います。
 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

4 引用について

 基本的に、ネット上のブログに引用する際には、

 ① 私がシミュレーション又は牌譜解析したこと
 ② このサイトのデータである旨

を書いた上で引用する限り、自由に引用していただいて構いません
(ただし、あたかも私が行った牌譜解析・シミュレーションを自分がやったかのように記載して転載するのはやめてください)。

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 は、コメントにて、私にご一報ください。
「① 私がシミュレーション又は牌譜解析したことの記載、②このサイトのデータである旨の記載」さえあれば、拒否することは致しませんが、私に再試の機会を与えていただきたいと思っているためです。

 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

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