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流れが存在することの証明?2

 8月下旬から9月下旬まで体調が悪かった。
 身体を起こす気すら起きず、一日中寝込む日も少なくなかった。
 9月下旬あたりから寝込むこと自体はあまりなくなったが、何かをする気力は沸かなかった。

 こんな状態なので、麻雀研究は進んでない。
 したい牌譜解析もできてない。
 新たにシミュレータ(特に秋刀魚の)を開発したいのだが、それもできていない。
 従前に行った牌譜解析結果はあるのだが、それをブログに公開するための作業も進んでいない。
 nisiさんや福地と出すことになっている『四麻押し引き大辞典(仮)』のデータも出来ていない。
 ないない尽くしである。
 そろそろ、麻雀研究界から去る潮時かもしれない。


 さて、今回はちょっと風変わりな牌譜解析結果を。

『統計で勝つ麻雀』(福地誠その他著、竹書房新書、2015)において、初代天鳳位(アサピン)から六代目天鳳位(タケオしゃん)の1位を取った後の平均順位と4位を取った後の平均順位を比較し、所謂「(心理的意味における)流れ」の有無について検証したことがあった。
 もっとも、あれを見ても、「そりゃ、天鳳位クラスなら(心理的な意味における)『流れ』が発生しない程度にメンタルが強いと思うが、一般人ではそうはいかないでしょう」と思う人はいると思う。
 そこで、今回は鳳凰民全体まで話を拡張して考えてみたい
(鳳凰民を一般人にたとえていいかは微妙だがそこは軽やかに無視する)

 もっとも、鳳凰民のうち1000試合以上打った人(約1000人いる)に対して個別に仮説検定を施すと、(仮にその人には流れがなかったとしても)たまたま『流れがある』と認定される人間が出てくる。
 というのも、今回行う検定(危険率5%、有意水準5%で行う検定)は、「仮に『流れがない』人間であっても5%は『流れがある』と認定されうる危険があるから」である(なお、5%を0%にすることはできない)。
 検定を1回だけ行うならばいいかもしれないが、約1000人に対して5%ですり抜けられる検定をやれば、「(全員に流れがないとしても)平均して50人は流れがある」という結果が出ることになる。
 となると、単純に仮説検定を使うのは考えものである。

 そこで、鳳凰民を1つの人格とみなしてデータを取ることにした。
 これで1000回仮説検定をかけるといった弊害は回避できる。
 それから、多重検定についてはあまり気にしないことにした。
 気にしすぎても始まらないからである。
 ただ、「ちゃんと自分で検定するから個別のデータが欲しい」という方は申し出られたい。


 データの範囲は天鳳の鳳凰卓・クイタン赤アリの東風戦と東南戦である。
 また、データの期間は2009年2月20日~2015年12月31日までとする。

 では、データを見てみよう。
 鳳凰民全体の1位を取ったあとの平均順位等の数値は次のとおりである。

FC21610202.jpg 

 なお、2σというのは、標準偏差を2倍にした値である。
 また、計算値というのは、 abs( 平均順位 - 2.5 ) ÷ (標準偏差) によって求められた値である。
 さらに、下限・上限というのは95%信頼区間で考えた場合の誤差を考慮した場合の平均順位の上限・下限である。


 1位を取ったあとの平均順位から4位を取った後の平均順位は次のとおりとなった。

1位を取った後の平均順位 2.4995 標準偏差 0.0011
 95%信頼区間 2.4974 ~ 2.5016
2位を取った後の平均順位 2.4997 標準偏差 0.0011
 95%信頼区間 2.4976 ~ 2.5018
3位を取った後の平均順位 2.5023 標準偏差 0.0011
 95%信頼区間 2.5002 ~ 2.5044
4位を取った後の平均順位 2.4983 標準偏差 0.0011
 95%信頼区間 2.4962 ~ 2.5005
(1試合目        2.5243 標準偏差 0.0291)


 平均順位の数値だけを見ると、1位を取った後の平均順位は4位を取った平均順位を下回った。
 これでは仮説検定云々持ち出すまでもなく、「鳳凰民において1位が取ったあとには心理的な意味における流れがよくなり、4位を取った後は心理的意味における流れが悪くなるとは言い難い(対立仮説を有意水準5%で棄却できない)。

 あと、面白いことに、3位を取った後の平均順位が2.5023となった。
 仮に、「3位を取った後の平均順位は2.5である」という仮説を作ると、この仮説は有意水準5%で棄却される
(現実の平均順位が2.5022より上になっているため)
 つまり、「3位を取った後の実力は平均よりも下」とは言えそうである。  

 また、信頼区間の下限の最低値は4位を取ったときの2.4962に、信頼区間の上限の最大値は3位を取ったときの2.5044になった。
 このことから考えると、仮に、「(心理的な)流れが存在したとしても、その程度は平均順位に換算して0.0045以下」と言えそうである。
 ちなみに、平均順位0.0045というのは、天鳳RATEに換算すると5である。
 そう考えれば、流れによる影響があるとしてもそれはかなり小さいといえる。


 以上、心理的な意味における『流れ』について検証してみた。
 もちろん、データから色々と妄想してみると色々面白いことが想像できる
 例えば、鳳凰民は3位を取った後には油断するのではないか、とか。
 いやいやいや、4位を取った後は間をおくから冷静になれるのではないか、とか。
 その辺は読者の方にお任せする。


 では、今日はこの辺で。
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