記事一覧

流れが存在することの証明? 中編

 前回、前局が和了だった場合、前局が放銃だった場合など、前局の結果毎の牌譜解析を行ってみた。
 その結果、「和了した局の次の局は和了しやすい」という結果はでなかったが、
 「放銃した後の次の局は放銃しやすい」という結果は出た(註1)。

 今度は先制リャンメンリーチについてみてみる(なお、データは全巡目のデータである)。
 前局の結果毎の先制リャンメンリーチの和了率等の諸数値は次の通りである。
 FC21608022.jpg 

 例によって、和了率・和了時ツモ割合・和了時一発割合・放銃率については、
  全体のデータより0.5%以上多い場合は赤のマーキングを、
  0.5%以上低い場合は青のーキングをしている。

 今回も、和了局後のデータと放銃局後のデータを見てみよう。
 前局が和了の場合、先制リャンメンリーチの和了率は(全体データと比較して)1~2%増えている
 また、前局が放銃だった場合、先制リャンメンリーチの和了率は(全体データと比較して)約2%減少している。
 和了局後のデータと放銃局後のデータだけを比較すると、和了率は3~4%ずれる計算になる。
 単純にたとえると1巡違うくらいのデータである。
 
 そうなった理由を考察しよう。
 まず、リーチの平均巡目を見ると、前局が和了だった場合の平均巡目が8.5~8.6
  前局が放銃だった場合の平均巡目が8.8~9.0となっていて、
  その差は0.3~0.4巡目ある。
 0.3~0.4巡目違えば和了率は1~1.5%ずれる
 これが和了率の差を生じさせた原因の1つであると思われる。

 また、和了時ツモ割合を見ると、前局が和了だった場合の和了時ツモ割合が全体よりも下がっている。
 他方、前局が放銃だった場合、和了時ツモ割合が全体よりも高くなっている。
 その差は約4%である。
 和了時ツモ割合が減れば、和了率は高まる(とはいえそれほどではないと思うが)。
 これも差が生じた原因の1つであろう。

 さらに、リーチ時に自分から見えない当たり牌の枚数を見てみると、
  前局が和了だった場合は6.5枚なのに対して、前局が放銃だった場合約6.3枚になっている。
 山に当たり牌がたくさんあるほうが和了率は高くなる。
 これも差が生じた原因の1つだろう(といっても0.2枚程度であれば微差かもしれない)。

 このように見ると、和了率の差は所謂「流れ」を持ち出さなくても説明できそうである。
 前局で和了すると持ち点が増加している関係で無理なリーチをしない
 前局で放銃すると持ち点が減少し普通ならしないリーチでもせざるを得なくなる
 これで説明できるかと思う。

 他のデータは各自見ておいて欲しい。 
 どういう状況で(全体より)無理をしているのか、どういう状況では無理をしていないのかが分かると思う。

 なお、和了時一発割合は前局の結果に依存していない(どのデータも全体との差が0.5%未満)。
 仮説検定の過程を書くのはめんどくさいから省略するが
 (サンプル数と和了率があるので、暇な人間は上のデータを使ってやってみてほしい)、
  サンプル数を考慮する限り、「前局で和了できたから、和了時一発割合が1%以上増える」とか、
 「前局で放銃したから、和了時一発割合が1%以上下がる」みたいな主張は95%以上の確率で間違いといっていいと思う。


 今日はこのところで。
 このネタの次回は、先制カンチャン(ペンチャン)リーチについて調べてみたい。


註1
 敢えて仮説検定的なものをやってみると次のことが言える。
 命題「和了局後の子の放銃率は11.5%以上である」は有意水準1%で棄却される。
 同様に、「放銃局後の子の放銃率は13.5%未満である」も有意水準1%で棄却される。
 となれば、95%以上の確率で「前局が和了か放銃かで放銃率は2%以上異なる」といえそうである。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Meanin Gless

Author:Meanin Gless
 初めてこのサイトを訪れた方へ(出来る限り御読みください)

1 このブログで記載する内容と程度 

 このサイトは麻雀に関する調査結果・研究結果を調査過程・研究過程を含めて厳格に記述するサイトです。
 原則として、このブログの文章に「(数学・プログラムについて相応の知識・技術を持った人が)ここに書かれた文章の内容を再現し、文章の内容が正しいことを確認するために必要なこと」は総て記載していく予定です。
 もちろん、牌譜分析をした結果をそのまま表示する場合、重複する場合、後で細かく書く場合、他に書かれていて書く必要がない場合、情報の速報性を重視する必要のある場合は別ですが、それはあくまで例外です。

 このブログの文章の第一のターゲットは、後世の麻雀研究者になっております。
 次が、巷に流れる麻雀戦術が正しいのかを知りたい人、理由付きで麻雀戦術を知りたい人になります。
 申し訳ありませんが、麻雀戦術が使えるようになりたい、麻雀戦術を分かりやすく知りたいと思われる方は、このサイトの99%は役に立たないと思います。
 麻雀戦術について詳細に記したサイト、分かりやすく記したサイトは、たくさんありますので、そちらを読まれた方がよいかと思います。


2 分かりやすさへの配慮について

 なお、理想論としては、私は、このブログの文章の内容を分かりやすく説明するところまでもっていきたいとは思っております。
 しかし、それだけの余力は現在ありません。
 そのため、「この記事を理解すれば役に立ちそうだから、このブログの解説記事を作ってほしい」と思われた方は、コメント欄にてリクエストをしてください。
 リクエストされた時の私の状況にもよりますが、出来る限り対応したいと思います。


3 当サイトの目標

 当サイトは「科学する麻雀」の理論を発展させることを目的としております。
 もちろん、発展の中には、「細かい修正」も入りますが、できれば、天鳳の赤アリ麻雀の牌譜を分析し、必要であれば、抜本的な理論の改変も目標にしたいと思います。
 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

4 引用について

 基本的に、ネット上のブログに引用する際には、

 ① 私がシミュレーション又は牌譜解析したこと
 ② このサイトのデータである旨

を書いた上で引用する限り、自由に引用していただいて構いません
(ただし、あたかも私が行った牌譜解析・シミュレーションを自分がやったかのように記載して転載するのはやめてください)。

 しかし、

 ① 営利目的使用
 ② 紙媒体に使用する場合

 は、コメントにて、私にご一報ください。
「① 私がシミュレーション又は牌譜解析したことの記載、②このサイトのデータである旨の記載」さえあれば、拒否することは致しませんが、私に再試の機会を与えていただきたいと思っているためです。

 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

カテゴリ

アクセス数