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安定段位は安定しないの意味

「安定段位は安定しない」という言葉がある。
 今日はそれについて。


 鳳凰卓における安定段位は次の定義で表される

(鳳凰卓安定段位) = ( ( 6 × 1位率 + 3 × 2位率 ) ÷ (4位率) ) - 2

 このように(4位率)が分母にある関係で、平均順位と安定段位の関係を綺麗に表すことはできない。
 だが、平均順位と安定段位の関係を知っておけば、平均順位の安定性から安定段位の安定性についても想像できる。
 そこで、平均順位2.5近傍における平均順位と安定段位の関係を近似してみようと思う。


 とりあえず、1位率から4位率までは等差数列を採るものとする。
(例えば、平均順位が2.4だったら、1位率28%、2位率26%、3位率24%、ラス率22%というように、1位率から4位率が等差数列を採るものとする)
 そのような条件において、安定段位と平均順位の関係は次のグラフで表される。

FC21604191.jpg


 グラフを荒っぽく見るのであれば、平均順位が0.01良くなる(数値的には減る)毎に安定段位は0.2増える。
 大雑把に見れば、平均順位が2.4だと安定段位は約9、平均順位が2.6だと約5になる。


 さて、平均順位と安定段位の関係は概ね分かった。
 次に、平均順位が打った試合数によってどの程度ばらつくのかを考えてみる。
 
 話を簡単にするため、95%信頼区間(グラフの数値指標で言えば5%変動順位)をもって、平均順位のぶれとする。
(片側検定を行うことも考慮し、一応、90%信頼区間の数値を10%変動順位として表しておくが、文章では用いない)。

 n試合打ったときの平均順位のぶれの求め方は次の通りである。

(平均順位のぶれ) = 1.96 × ルート ( 1.25 ÷ 試合数 ) 

 ようは、平均順位のぶれは標準偏差の1.96倍である。

 試合数と平均順位のぶれの関係は次のグラフ(赤の曲線)の通りである。

FC21604192.jpg

FC21604193.jpg


 500試合における平均順位のぶれは約0.1である。
 2000試合における平均順位のぶれは約0.05である。
 8000試合における平均順位のぶれは約0.025である。
 ちなみに、天鳳の安定RATE(東風荘のRATEではないことに留意)に換算した場合、
  500試合における安定RATEのぶれは約106、
  2000試合における安定RATEのぶれは約53である。
  8000試合における安定RATEのぶれは約26である。


 このように、安定RATEからして、それほど安定しないのである。
 見かけのRATEの平均順位のぶれは約106(平均順位約0.1)なので、500試合以上打てば、安定RATEの方が安定するだけで。

 そもそも、「安定」の比較対象は「見かけ」である。
 見かけRATEよりは安定RATEの方が安定するのである。
 それ以上の意味はないので、それ以上の幻想を抱くととんでもないことになる。


 さて、平均順位・安定RATEのぶれについて考えたので、安定段位のぶれについて考えよう。
 近似の結果、「平均順位が0.01よくなる(数値的には)と安定段位は0.2増える」と言えるので、それをそのままあてはめればよい。

 すると、次のようなことがいえる。

 500試合の安定段位のぶれは約2である。
 2000試合の安定段位のぶれは約1である。
 8000試合の安定段位のぶれは約0.5である。


 見かけの平均順位と見かけの段位をあわせて考えるのであれば、見かけの段位のぶれは約1.7~2.0ある
(以前やった特上卓における見かけの段位の偏差値から推測、ただし、これは追試する必要がある)。
 このことを考慮すると、500試合以上の実力を比較するのであれば、見かけの段位を用いるより安定段位を用いたほうが両者の差がより客観化するのではないかと思われる。
 また、安定段位の場合、七段と八段の間を埋めることができ、両者の差を定量的に表せることができる分優秀である。
 ただし、その程度ということである。


 ところで、安定段位の安定性は上記の通りであるが、見かけの段位の安定性を減らすことは可能である。
 例えば、今ある段位ポイントの配分を16分の1にする(あるいは、昇段に必要なポイントを16倍にする)。
 すると、見かけの段位の標準偏差は(直感的に考えると)従前のルート(16分の1)、つまり、従前の4分の1になる。
 とすれば、見掛けの段位のぶれは約0.5程度になる。
 こうすれば、8000試合の安定段位相当分しかぶれないので、見かけの段位自体が相当安定する。

 もっとも、昇段に必要なポイントを16倍にすれば、
  例えば、七段の原点から八段昇段までのポイント数は16×1400で22400ポイントになる。
  八段の原点から九段までのポイント数は25600ポイントになる。
  九段の原点から十段までのポイント数は28800ポイントになる。
  十段の原点から天鳳位までのポイント数は32000ポイントになる。
 もちろん、初段から六段の点数も16倍にしなければならない。
 となれば、おそろしい鬼打ちを要求されることであろう。

 麻雀は偶然性が高いのだから、指標は標準偏差の低いものを採用せよという意見がある。
 それ自体もっともな意見である。
 
 しかし、仮に昇段に必要なポイントを16倍にし、見かけの段位のぶれを8000試合安定段位と同程度に下げたところで、ゲームのやり手がいなくなると思うのだが・・・。


(追記)
 安定段位のぶれをグラフにするのを忘れたので、それをグラフにしておく。
 安定段位のぶれは次のグラフの赤線の通りある。
 青線については、「片側検定」という言葉にぴんと来ない人間は無視してよい。

FC21604194.jpg
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