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先制無筋4p無筋6p等シャンポン待ちリーチの和了率

 ことの発端は、最近、『神眼の麻雀 山を透視して勝つ技術』(成岡明彦著、福地誠編、洋泉社、2016)を著されたプロ雀士成岡明彦先生のツイッターの発言である。

 ちなみに、本のアマゾンのリンクは次の通り。

 神眼の麻雀 山を透視して勝つ技術


 発言を以下引用する。
 なお、発言のツイッターURLは次の通り。
 https://twitter.com/NALNAL1985/status/716122932594892801

アホほど1局清算やってきた僕。

なんでか分からんけど、かなり特殊な状況以外は同色46シャンポンは「簡単な計算(人によってはそれを理論とかいうやつ)」で出る期待値よりはるかにアガれないと思っている。

気のせいなのか?
どっかにまともな統計値出しているやつおらん?



 先制シャンポン待ち立直の和了率を「簡単な計算」如きで出せるのか(もちろん、その結果は合理的なものとする)甚だ疑問ではあるが・・・(註1)。
 それはさておき、和了率等を求める牌譜解析自体は今あるソースコードを少し書き換えればできるのでやってみようと思う(註2)。


 早速データをみてみよう。
 先制同色46シャンポン待ち立直の和了率、及び、それと比較するために用意した諸データの和了率等は次のとおりである。

FC21604031.jpg


 データを見る前に、ラベルの説明をしよう。
 一番左の列にある数値は「先制数牌シャンポン待ち立直のデータ」である(巡目を問わない)である。
 成岡先生の言う「「簡単な計算(人によってはそれを理論とかいうやつ)」で出る期待値」(註3)について具体的にイメージできなかったので、この数牌シャンポン待ちのデータで通常のシャンポン待ちに対応させることにする。
 次に、2列目にある数値は、「先制シャンポン待ちで、かつ、2種類の待ちが双方とも無筋456」のものである。
 普通に、双方無筋456の先制シャンポン待ち立直を想像してくれればいい。
 さらに、3列目にある数値は、「先制同色46シャンポン待ち立直」である。
 ただし、当たり牌である4と6が無筋か片筋か両筋かは問わない。
 なお、3列目のデータは4と6の無筋・片筋・両筋等が特定できていないこと、及び、他の立直と比べて立直平均順目が後ろにずれこんでいるから、比較対象はしない。
 また、4列目にある数値は、「先制同色46シャンポン待ち立直で、かつ、待ち牌の双方が無筋」であるものである。
 つまり、3列目のデータのうち、シャンポン待ちの2種類の当たり牌がどっちも無筋456であるものだけ引っ張りだしたものである。
 最後に、5列目のデータが「先制カンチャン・ペンチャン・単騎待ち立直」のうち、待ちが無筋456であるものである。
 いずれも、全巡目のデータを引っ張り出してきたものである。


 まず、全巡目のデータを引っ張り出してきて大丈夫か、ということを検討する。
 立直平均巡目の欄をご覧いただきたい。

 データを見ると、「先制同色46シャンポン待ち立直」以外の列の立直平均巡目は8~9の間にある。
 特に、待ち牌を無筋456に限定した、2列目・4列目・5列目の立直平均巡目は8~8.3の間になっている。
 となれば、「先制同色46シャンポン待ち立直」以外のデータは全巡目で比較しても問題がないように思われる。
 

 続いて、和了率を比較してみよう。
「数牌の先制数牌シャンポン待ち」の和了率は約46%、「先制同色46シャンポン待ち立直(双方無筋)」の和了率は約37%であった。
 和了率において約9%差があるのだから、これは結構大きい。
 となれば、「はるかに和了できない」という感想に間違いはないように思われる。


 ただし、その原因が「同色の46だから」と考えるのは禁物である。
 というのも、「先制シャンポン待ちで、かつ、2種類とも無筋456待ち」の和了率は約38%だからである。
 両者の差は約1.4%である。
「先制同色46シャンポン待ち立直(双方無筋)」のサンプル数は約900であり、95%信頼区間が約3%あることを考慮すると、「たまたま通常より低いデータが出た」という可能性を否定できない(有意水準10%でも棄却できない)。
今のところ、「両者の間に有意差がある」とまでは言い難いように思われる。

 すると、今のところ、「同色46待ちシャンポンは通常の数牌シャンポンよりも和了しにくい」点は正しいが
  その原因を同色46に求めてよいかは微妙な気がする
 個人的には、その影響はないとは思わないが、それより(同色の46である)ことよりも待ち牌が無筋であることの影響の方が強いように思われる(註4)。


 なお、この牌譜解析結果にはバイアスがかかっている旨の意見が出たので、それについてもちょっと。
 とりあえず、先制同色46シャンポン待ち(双方無筋)、先制シャンポン待ち双方無筋456の見えない当たり牌枚数平均(これは立直した時点での見えない当たり牌枚数の平均をとったものである)は約3.7~3.8であまり差がない。
 そう考えると、無筋456同士の比較においては、そゆのはあまりないかなあ、という気がする。
 他方、通常のシャンポン待ちの見えない当たり牌枚数との差は多少あるので、バイアスがかかっている可能性自体は否定できない。
 ただ、通常のシャンポン待ちの方が(同色46待ちのシャンポン待ちに比べて)和了率がかなり高くなっているので、結論部分に影響はないであろうと思われる。


 以上、ちょっと牌譜解析をやってみた。
 皆様のアナログ判断の参考に供していただければ幸いである。


註1
 凸理論局収支シミュレータやnisi理論局収支シミュレータを使えば和了率を求めることは可能である。
 もっとも、社会通念に従えば、それらは到底『簡単な計算』とは言えない。 
註2
 もっとも、牌譜を約113万試合ダウンロードすることや、今あるのソースコードで牌譜解析できるようにするための牌譜データベースを作ったりするるのは大変であった。というわけで、牌譜解析そのものもコストの安い話ではない。
註3
 期待値という言葉が適切か否かに突っ込むのは野暮である。
註4
 山の中の当たり牌平均枚数と(自分から見えない)当たり牌枚数平均と見ると、同色46の方が山の中にある当たり牌枚数の平均が低いため、「同色46の影響が全くない」可能性はあまり高くないというのが私の感想である。
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