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多数試合を前提とした勝率に関する研究 ~天鳳名人戦を題材にして~ 前編

 昨日、天鳳名人戦が行われた。
 私は、その大半を観戦していたが、素晴らしい試合だったと思う
 (私には試合の中身についてどうこう述べる能力はないので、それについては触れない)。

 ところで、天鳳名人戦は一定の試合数を打ち、そのポイントを競う。
 すると、1試合を多数回打つ段位戦とはそのプレイ目的が異なるはずである。

 また、「あと4試合で400ポイントをまくる割合はどの程度?」といった素朴な疑問も生じうる。
 そこで、凸の点数と順位に関する理論と擬似麻雀シミュレーションの結論を組み合わせて、n点差を4試合でまくれる確率などを求めてみようと思う。
 さらには、現状の天鳳名人戦のポイントから、天鳳名人戦勝率なども予想してみようと思う。

 具体的な理論は、『科学する麻雀』の72ページから82ページの通りである。

 順位のウマオカを天鳳名人戦のそれにあわせ、天鳳鳳凰卓のパラメータを放り込んだ擬似麻雀シミュレーションに4試合ずつ試合(1試合、8試合)を打たせ、点差の分布を調べた。
 そこから、他家1家と自分との点差がn点ある場合のその他家1家に対する勝率を求めた。

 具体的な結果は次の通りである。

FC216022705.jpg

 グラフは、0、0.5で点対称になるので、左下だけを拡大してみよう。
 まくり率はこれで分かる。

FC216022703.jpg
 
 青が残り8試合ある場合の他家1家との点差とその他家1家に対する勝率、
 紫が残り4試合ある場合の他家1家との点差とその他家1家に対する勝率、
 緑が残り1試合ある場合の他家1家との点差とその他家1家に対する勝率

 である。
 緑からみてみよう。

 残り1試合の場合、-20点未満の場合、勝率は50%からあまり動かない。
 これは、結局順位が上になったものが勝つことの現れである。
 
 -20あたりから勝率が急激に下がり、-100あたりの勝率が15%となる。
 100となるとトップラスでないとまくれないと思うかもしれないが、そんなことはない。
 自分が2位で相手が4位の場合、ウマ(オカ)だと90点しか差がつかないが、これに素点がくっつく。
 平均だけで考えれば、点差は10000点程度差がつく。
 そのため、この程度のまくり率があるのである。

 その後、-150あたりで5%となる。
 トップラスであれば、30000点程度の差はつくので、だいたいトップラスでまくれる点数がこの程度ということになるのだろう。 


 次に、残り4試合でどの程度の差があるのかをみてみたい。
 まず、100点差がある場合、まくり率は30%程度ある。
 3回に1回だから、十分期待できるレベルである。

 次に、200点差がある場合、まくり率は15%程度ある。
 先制愚形待ちリーチをかけて放銃する程度の可能性があるのだから、十分予期すべきレベルである。

 さらに、300点差がある場合、まくり率は6%程度である。
 1試合なら150ポイントまくれる可能性と同程度である。

 最後に、400点差がある場合、まくり率は2%程度である。
 可能性としてはきついが、万が一を期待しなければならないレベルというわけでもないらしい。

 ところで、今期名人戦は4試合残して、トップのしゅうかつさんが688ポイント、2位の堀内先生が424ポイントであった。
 仮に、3位のアサピンさんと4位の石橋先生を無視した場合、二人のポイント差は約260ポイントだから、しゅうかつさんの勝率は90%ということになる。
(なお、アサピンさんと石橋先生を考慮した場合の勝率の試算は次に行う)

 なお、残り8試合については各自チェックしておいて欲しい。
 また、このケースから何点差以内であれば平場かみたいなことも分かるので、参考にされたい。


 4人の点数差が分かっていて、かつ、他家1家との点数差と勝率の関係が分かっている場合、とつげき東北の提唱したトップ獲得力の概念を用いれば、トップ率を求めることができる。
 そこで、残り4試合におけるトップ獲得力を求めることで、各自の優勝率を求めてみようと思う。
(長くなったので、残りは次回に回します)
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 また、「科学する麻雀」には秋刀魚に関する記述が乏しいため、秋刀魚に関する分析もしたいと思っております。
 その辺の研究が一通り終わりましたら、数理的裏付けの取れたある程度分かりやすい麻雀戦術記事を書きたいと思っておりますが、、、それは1年以上あとの話になるでしょうね。

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「① 私がシミュレーション又は牌譜解析したことの記載、②このサイトのデータである旨の記載」さえあれば、拒否することは致しませんが、私に再試の機会を与えていただきたいと思っているためです。

 引用について、このようなことを書くのもはばかられますが、某所でちょっとありましたので、このようなことを認めさせて頂きました。
 ご理解いただければ幸いです。


 では、よろしくお願いします。

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